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検察庁(けんさつちょう、Public Prosecutors Office)は、検察官の検察事務と検察行政事務を行う官署である。日本においては個別の庁(最高検察庁、高等検察庁など)でなく総体としての「検察庁」が「法務省の特別の機関」として設置されている。 以下本項目では日本の検察庁について詳述する。
概要検察庁は検察官各人の独任官庁としての性質を持つが、行政機関であることから検事総長を長とした指揮命令系統に従う(検察官同一体の原則)。 法務大臣は行政機関たる検察庁を擁する法務省の長であり、下部機関である各検察官に対し指揮する権限を有しているともしうるところ、必要以上の政治的介入等を防止する観点から、検察庁法において具体的事案に対する指揮権の発動は検事総長を通じてのみ行い得る(いわゆる指揮権の行使)との制限が規定されており、直接特定の検察官に対し指揮することは認められていない。 このことにより、検察官は政治からの一定の独立性を保持しており、法の正義に従った職能を行使することが期待される。いわゆる指揮権については法務大臣と検事総長の意見が対立した場合に問題となり、かつては法務大臣の指揮に従わないこともありうる旨を述べた検事総長が国会等で問題とされたこともあったが、国家公務員法には「職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない」とあり、法的には「法務大臣の職務命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り違法なものでも服従する義務がある」とされ、その結果の是非については指揮権を発動した法務大臣が政治的責任として負うことになる。 構成裁判所の本庁・支部に対応して設置されている。
組織検察官の人数は検事、副検事を含めて日本全国で総数2,000人程度である。検事は、主に司法試験合格、司法修習を経てなる。副検事から内部試験を経て検事になることもある。稀に、大学教授から法曹資格を経てなることもある。また、裁判官と検事の人事交流も行われている。 副検事には、主に検察事務官が内部試験を経てなる。稀ではあるが、試験を経て自衛隊の警務隊等検察事務官以外からなるということもある。その他、検察官を補助するものとして検察事務官がいる。実数としては、各検察庁ともに事務官が検察官を上回る。テレビのニュース映像でよく見られるダンボール運びをしているのは主に事務官である。検察事務官は国家公務員Ⅱ種・Ⅲ種試験から採用される。検察庁は、法曹である検察官とその補助者の一般職公務員である検察事務官から構成されている。 近年では、女性検察官の人数が著しく増加しており、大阪地検などでは裁判員制度の対象事件は男女の検事がペアとなって担当する方針を明らかにしている[1]。 現在の検察庁幹部検察庁幹部の内、認証官について一覧を掲げる(建制順)。
業務公訴検察権を行使する権限を有する官庁は、あくまで独任官庁(つまり一人一人の検察官が一つの役所としての権能を有しているという意味)と称される個々の検察官である。検察官は刑事事件の司法的処理を担当することを主な任務としている。 その場合、警察から送致(マスコミ用語では「送検」という)された事件に対する捜査を行い、公訴の提起の是非を定め、公訴提起(起訴)後は、同事件に対して、裁判所が公正かつ適正な法適用を行うよう求めるための訴訟活動を行う。起訴に関しては起訴独占主義が取られ、ごく限定的な例外(付審判請求・検察審査会による起訴議決制度)を除き検察官のみがなしうることとされている(公訴の項も参照)。 その他、人事訴訟の際の一方当事者となることがある。また、検事は法務省や他省庁に出向し、立法に関与したり、政府における法律の専門家として活動したりすることもある(例:国が当事者となる訴訟における指定代理人としての訟務検事)。 問題点と議論裏金問題元来、民主主義的な基盤が薄弱であり、例外を除き公訴権限を独占するなど、検察官に対する権限についての批判が高まり、司法制度改革によって検察審査会の勧告に法的拘束力を持たせるなどの試みが行われてはいる。 しかし、元検察幹部による裏金告発[2]や検察の捜査に対する手法を「国策捜査」だとする批判[3]も起こっている。北海道警裏金事件や岐阜県庁裏金問題等数多くの裏金事件を検察がことごとく黙認したことも検察批判を拡大させることになった。 捜査情報の「リーク」と報道への「事前検閲」「記者クラブ#発表報道と情報操作」、「情報漏洩」、および「守秘義務」も参照 「検察は記者クラブに加盟している報道機関に捜査情報をリークしている」という指摘がなされることがある[4][5][6]。記者クラブでは検察側による記事内容の「事前検閲」が常態化しているとされ、検察側は自己に不都合と考えられる報道をおこなった加盟報道機関に対しては検察関連施設への「出入り禁止」措置を取っているという指摘もある[5][7]。また、検察は記者クラブに加盟していない報道機関による取材を拒否したことがある[7]。 裁判所との関係一般的に、検察庁は弁護士と比べて裁判所との結びつきが強いと言われている。顕著な例としては判検交流があり、裁判所との親密な関係を示すものとされている。このような関係は、刑事裁判において検察に有利な訴訟指揮が行われる危険性をはらんでおり、誤判が起こる一因となっているのではないかとの指摘がある[8]。 裁判所の判事経験者によると、日本の刑事司法では、全裁判所における令状請求の却下率は、1968年から1990年代後半までの推移は,逮捕状で0.20%から0.04%、拘留請求で4.57%から0.26%まで減少している。裁判所がきちんとチェックすると、拘留請求の却下は10%ぐらいはあるので、1990年以降の却下率の低さは異常であり、裁判所が検察の令状請求にノーチェックで応じていると言われてもしょうがないと言われている[4]。 経済・社会との関係近年では、検察の経済界との関係が冤罪事件の原因だと主張する者もいる(堀江貴文ら)。 堀江(ライブドア事件で逮捕)は自らの経験から、検察庁が事件をつくり、OBのヤメ検が弁護をするというのは「法曹界の仕事「マッチポンプ」のようであると主張している[9]。また、近年の経済事件の厳罰化が企業のコンプライアンス(法令順守)需要をもたらし、多くの企業が検察OBを多額の報酬で迎え入れるようになったと堀江は主張している。捜査権限と起訴権限の両方を持っている検察が経済事件に本格的に介入することで、企業全体を財布代わりにしようと考えているに等しいと批判しており、警察のパチンコ業界の自主規制団体に天下りしている構図と同じであるが、検察がよりたちが悪いという[10]。
また、日興コーディアル事件や日本テレビ視聴率操作・買収事件等、世論の注目を集める事件の場合、社内調査委員会に検察OBを起用することで検察による摘発を回避する手法も一般化している[11]。
選挙違反や贈収賄で脛に傷を持つ政治家は触らぬ神にたたりなしと手をつけず、談合や粉飾が横行している経済界も何も言わず、ネタもらいに汲々とするマスコミは批判せず、それどころか戦時の従軍記者のように過剰に戦果を書き立てる。批判が無い組織は自制が利かず、東京地検特捜部はまるで現代の「関東軍」だと大鹿は指摘している。一旦暴走すると誰も止められず、しかも誰も責任を取らなかったという[12]。 検察を抑制する仕組みが不在なのは問題であり、特に検察官個人の責任が追及されることはほとんど無い。わずかに検察庁法には検察官適格審査会が職務上非能率で職務に適さない検察官を審査し法務大臣に通知することが盛り込まれているが、ほとんど機能していないという[12]。 弁護士の数が飛躍的に増え、法律が今まで以上に経済活動や市民生活に入り込む「法化する社会」の到来を前に、検察の抜本的な改革は避けては通れないと大鹿は主張している[12]。 特捜検察と公安検察の対立特捜検察捜査を主眼とする検察として、証拠を追って事実の解明を重視する立場をとることから、疑獄事件など政治家が関与する案件では事態の拡大をためらわない立場に立つことが多い。批判として、検察が独走し特定の政治的効果を及ぼす検察ファッショである、との批判を受けることがある。
中立公安検察刑事事件を相対的に評価し、国家にとって有用な人物の処断には配慮が必要との立場を取ることがある。西郷隆盛が山縣有朋の汚職疑惑でピンチに陥ったときに、陸軍卿として復活させた「国家有用論」と軌を一にする。思想検察ともいい、戦前は庶民にとって暗い印象が付きまとったが、検察の中ではエリートコースであった。法務総裁(法務大臣)の大橋武夫はじめ、多くの政治家が支持した。法務省と検察庁を往復するキャリアを積む。捜査に対しては政治的配慮からブレーキを踏む立場となることがあるといわれている。
※参考・検察庁事務章程
検察の強大な権力は常に国民の側にいるべきで、検察の意に沿わないような社会状況・政治状況が出現した時は独善に陥る危険性があるため、検察権の行使は慎重であるべきである。[13]。 脚注
参考文献
外部リンク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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